④洗礼

洗礼は「父と子と聖霊の御名によって、すべての人に洗礼を施しなさい」と命じられた、キリストの命令に基づいて行なわれるものです。ルター派は、洗礼式と聖餐式を、キリストの命令に基づく聖礼典として位置づけ、特に大切に考えています。

洗礼によって、その人には、キリストの刻印が押されます。キリストのものとされたという徴です。これは、人の思いを超える神の恵みの徴です。洗礼は幼児の場合に親の意志で受けることもあれば、成人して、心にキリストを信じる信仰が与えられ、自分の意志で洗礼を受けようと決断して受ける場合もあります。幼いときに親の意志で受けた場合には、成長して堅信式を受け、信仰告白をすることが勧められます。

幼いころ受けたものであれ、長じて受けたものであれ、洗礼の意味が、それで変わるわけではありません。それは、人の思いを超えた神の恵みと選びの徴なのです。救いは、人の思いによってではなく、神の一方的な恵みによって与えられます。人はそれを感謝して受けるだけです。洗礼を受けた者は、ただ神のみを神として生き、神であるキリストを主として生きることが求められます。